モーリー・ロバートソンがニューヨークで取材した内容がFNNで取り上げられました。
– 以下、FNN News.comより。
“アメリカの大統領選挙期間中、トランプ氏が、ずっと訴え続けてきたのは、移民に対する強硬な政策でした。人種のるつぼ、ニューヨークで暮らす若者たちの今の思いを取材しました。
ニューヨーク・中華街、この移民の街の一角に、今、話題の店がある。客のお目当ては、大きなスイーツ。
香港の伝統的なお菓子である「エッグワッフル」で、大きなアイスクリームを包み、アメリカらしい、カラフルなトッピングで盛りつける。香港とアメリカが融合した、人気スイーツ。生み出したのは、香港からの移民2世の若い女性という。
経営者・ジェシカさん(24)は「わたしたちは、みんなミレニアル世代です。香港とアメリカの文化を融合させていきたいんです」と話した。異文化の融合。それが、この国の巨大なエネルギーの1つ。そんな移民の国の今を、モーリー氏は、2016年4月から取材していた。
移民が多く住む地域では、地下鉄の表示も多言語。モーリー氏も驚くほど、多様化が進む、この地域では、トランプ氏の不法移民や、イスラム教徒への厳しい姿勢に、当時から、大きな不安が広がっていた。アラブ人女性（主婦）は「アラブ人だからという理由で、攻撃された人がいます。多くの憎しみや、人種差別があります」と話した。
選挙のあと、移民たちは、どんな思いでいるのか。モーリー氏が再び、移民の街を訪ねた。メキシコ人女性（ホテル従業員、21歳）は「彼が言ったことで、わたしたちのコミュニティーは、ずいぶんと傷つきました」と話した。
エクアドル人女性（美容師、24歳）「でも、彼は経済を良くすると言っているので、期待したいです」と話した。メキシコ人女性（主婦、30歳）は「（トランプ次期大統領は、あなたにどのように影響？）わたしは大丈夫だけど、家族が影響を受けると思う。不法移民だから。でも、一生懸命働いていて、これから、どうなることか」と話した。
ボリビア人の少年（中学生、14歳）は「（トランプ新大統領になったら、何か変わる？）いろいろと変わるかもしれないけど、大統領って、みんなやるって言ったことをやらないじゃない？ ひどい法律を作るかもって、みんな恐れているけど、議会の反対によって、そんなことは無理だよ。大した変化は起きない」と話した。
移民たちは、意外と冷静に、トランプ次期大統領を受け止めている。
アラブ系の人たちが多く住む地域で、モーリー氏が見つけたのは、アラブのお菓子屋さん。ヨルダンからの移民が経営している。菓子を買い、店内で撮影をしていたところ、突然、「コーヒーはいるか」と声をかけてくれた。
一方、この国は、これから、移民とどう向き合っていくべきか。熱く議論を重ねる、若者たちもいた。民主党を支持する学生は「不法移民によって、経済が成り立っているんだ」と話した。共和党を支持する学生は「不法移民が、アメリカ人の仕事を奪っているんです」と話した。
アメリカは、どこへ向かおうとしているのか。
モーリー氏が、ニューヨーク大学で活発に議論をしていた学生たちに話を聞いた。多様性を尊重する、民主党を支持するオースティンさんと、保守的な価値観を尊重する、共和党を支持するエラさん、対極の考えを持つ2人。
移民はアメリカを繁栄させてきたのに、今、何が問題？
エラさん「中間層が、崩れ始めています。不法移民が、中間層の仕事を奪っているんです。」
オースティンさん「君は、移民をスケープゴートにしているよ。搾取されている移民たちに、責任を押しつけるのは、おかしいよ。人が増えれば、市場が活性化し、みんなが豊かになるんだ」
人口構成の劇的な変化が起きつつありますよね。多様性ともいわれています。これは、アメリカを強くしていますか？ 弱くしていますか？
エラさん「わたしは、多様性というのは、危険な言葉だと思います。今、アメリカの伝統的な価値観が、危機にさらされています。わたしたちは、それぞれのルーツを知っています。しかし、全てが溶け合うわけではありません。わたしたちは、根本でアメリカ人であると認識することが、強さになります。」
オースティンさん「僕は、人が大切に扱われる、アメリカになってほしい。異文化を大事にしてね。そして、こういう議論をすることこそが、社会を良くしていくことにつながると思うんだ。」
移民の国の若者たち。トランプ新大統領のもと、これから、どんなアメリカをつくっていくことになるのか。”
